実釣講座

 

 

■釣行計画と準備

釣りにはいろいろな楽しみ方がある。家族連れで綺麗な海を見ながらのんびり休日を過ごしたいと思う人もいれば、優れた釣果を目標にする人もいる。いずれにしろ、漁業を生業とする人以外は釣りを趣味としている人々であり、その楽しみ方は千差万別であってよい。

しかし、海という自然の場は社会の共有財産であるから、マナーをきちんと守り、周囲の人々に迷惑をかけないことが大原則である。最近は釣りブームでどこの釣り場も極端に込み合っている場合が多い。こうした環境で楽しく釣りをするには、公共心と共にある程度のテクニックが求められる。

そして、釣りに行く以上は何がしかの釣果を期待するのが人情でもある。この実釣講座では、カゴ釣りを安全に楽しみつつ、釣果を伸ばすためのテクニックについて解説する。

 

■釣り座の確保

■仕掛けとタナの設定

■投入のテクニック

■カゴ釣りを楽しむ

■カゴ釣りの世界TOP

 

釣果に影響を与える大きな要因として、有効工数(結果を生むのに有効な作業時間)があげられる。釣りにおける有効工数とは、新鮮な餌が魚の居るタナに投入されている時間である。これ以外の全ての時間、例えばリールの空巻き時間や、針に餌を付けている時間や、仕掛けが絡まったのを解いている時間や、投入のために竿を構えている時間や、刺餌が盗られてしまった仕掛けをそのまま放置しておく時間や、昼寝をしている時間などは、全てが無効工数である。いかに優れた装備で釣行に臨んでも、無効工数が多いと釣果は伸びない。

しかし、私たちの釣りは趣味であって生業ではない。有効率を上げれば釣果は伸びるが、楽しい釣りでなければ海へ来た甲斐が無い。時には竿を休めて海を眺めたり、隣の釣り人の自慢話を聞いたり、眠くなったら昼寝をするというような、海辺で過ごす一日のバランスを考えながら有意義な釣りをしていただきたい。

 

釣果を伸ばすには、竿さばきや手返しの良さなど、動作としての釣りが上手いということも必要ではあるが、それだけでは不十分である。単に遠くへ投げれば釣れるというものでもない。釣りというのは魚との知恵比べであり、闘いである。闘いに勝つには、戦場に精通し、敵をよく知らなければならない。気象や海況、海の自然、魚の生態などに関する基礎知識が合理的で安全な釣行計画や釣技に結びつき、釣果を伸ばすことになる。

釣りの達人というのは、決して釣果の優れる釣り人を指すのではない。公共心に溢れ、大自然の環境を大切にしながら、持てる知識と技術を駆使して海の生態に溶け込める人をいうのである。

 

釣り道具や実釣テクニックに関して、世の中には実に多くの能書きがある。中には無理にこじつけたものや、商業主義を重んずるばかりに合理性に欠ける理屈も少なくない。特に、仕掛けがシンプルで工夫に限りのあるフカセ釣りでそのような傾向が強いように思う。この実釣講座では、誰もが納得できるような内容で話を進めたいと思う。

 

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