カゴ釣り入門

 

カゴ釣りの小道具類と仕掛け

 

この章では、カゴ釣りの仕掛け部分と、大道具を支える小物類について、道糸のリール側から順番に説明する。カゴ釣りの道具立てはやや複雑であるが、大型ウキとコマセカゴを除けば他の釣法で使用する道具類とそう大きな違いはない。個々の部品の詳細は、一般的な海釣りの解説書にも記載されているのでご参照願いたい。

 

■道糸

大型回遊魚とやりとりするカゴ釣りでは、力糸は使わずに太目の道糸を使用する。一般的にはナイロン4号から8号程度が使用され、標準的には6号である。錘が軽い場合は4号でも十分耐えられるが、「お祭り」などでラインに傷が付くと切れやすいので、太目のものを使用したほうが安全である。

 

道糸に大きな負担がかかるのは、投入時にリールから出ている部分(竿1本分)である。この部分は使っているうちにパーマ状となり竿やウキに絡みやすくなるので、できれば釣行毎にカットするのが望ましい。数回カットすると全長が短くなってしまうので、スプールが一杯になるように予備糸を巻き足す。そして、今度は予備糸がスプール中心側に来るように道糸巻き直して使用する。予備スプールが無いと少々面倒な仕事になるが、道糸を新品同様の状態で再使用することができる。

基本的に道糸は消耗品である。高価な道糸は滑らかで扱いやすく、遠投性にも優れているが、丁寧に手入れをしてもそう長い間使えるものではない。安価な500m巻きや1000m巻きなどを購入して、頻繁に交換した方が得策である。

リールに巻いた年越しの古い道糸は強度が劣化している場合があるので、シーズン始めにはなるべく新品への巻き替えが望ましい。それほど値の張るものではない道糸をケチって、手塩にかけて作ったウキやカゴを失っては元も子もないからである。ナイロンは紫外線に弱いので、道糸を購入したら光の当たらない場所にアルミホイルで包んで保管する。

道糸を細くしたい場合は、PEライン3号を使用する。細い道糸はリールからの放出抵抗と飛行中の空気抵抗が小さいことから遠投に向いているが、PEラインは柔らかいので竿の穂先に絡みやすいという弱点がある。両軸リールでは、バックラッシュを起こした時の解きほぐしが難しい。強度的には3号未満のPEラインでも耐えられるが、投げる時に指を傷つける危険があるので、細いPEラインはテーパーライン(力糸)と組み合わせた方が安全である。ただし、テーパーラインと道糸の結束点よりも深いタナを設定することはできない。

PEラインを使用する場合の問題は、他の釣り人のナイロンラインと絡まった時に、ナイロンラインに傷を付けてしまうことである。PEラインは優れた道糸ではあるが、「お祭り」しやすい込み合った釣り場での使用は避けるべきだ。また、PEラインは軽いので、強風時には糸ふけが大きくなり、いっそう「お祭り」の危険が増す。

 

■ウキ止め-A

仕掛けのタナ(水深)を決めるもので、ここから下の部分が海中に沈んでいく。フカセ釣りではハリスを含めてウキから針までの水深をタナと言うが、カゴ釣りではウキからカゴまでの水深をタナと言う。

 

出来合いのウキ止めとしては、画像左のようにゴム製で中芯に道糸を通すタイプ、画像右のように糸輪で中芯に道糸を通すタイプの2種類が市販されている。

これらのウキ止めはコストが高いうえに、交換の必要が生じた場合に道糸に装着した小物類を全て取り外さなければならないという欠点がある。また、ゴム製のものは千切れる可能性があることから、中通し竿に使用する時は注意が必要だ。

 

上記の問題を解決したのが、単純なウキ止め糸である。ウキ止め糸を道糸に沿わして1ターンの輪を作り、糸の一端を輪の中に数回くぐらせた後、糸を水で濡らして適度な強さで締めつける。締めが緩いとズレやすく、極端に強く締めるとタナ変更時にスライドがきつくなってウキ止め糸が長持ちしない。糸の材料として専用の「ウキ止め糸」が市販されているが、ナイロン道糸、PEライン、木綿糸、補修用テトロン糸などを使用した方が経済的である。また、ウキ止め用のゴム糸も市販されており、比較的安価であり、タナを頻繁に変える場合に適している。

投入時にはウキ止め糸がロッドガイドと強く接触するので、ウキ止め糸はできるだけ小さな形状が望ましい。中通し竿では接触衝撃がさらに強烈であり、竿の説明書に適合ウキ止め糸とサイズが指定されている。

ウキ止め糸はタナを変える度に道糸上をスライドさせるが、スライド時の摩擦熱によって次第に劣化する。特に、道糸がPEラインの場合は摩擦熱が非常に大きいので、ウキ止め糸はテトロン補修糸など熱に強い素材とし、出来るだけゆっくりスライドさせて発熱を抑える。

 

ウキ止め糸の交換では、古い糸をハサミなどで除去することになるが、この時はウキや仕掛けを必ず陸に上げた状態で行う。仕掛け類を海上に垂らした状態で万一道糸まで切ってしまうと、ウキ、カゴ、仕掛けなど全てが海中へ落ちてしまうからである。海が荒れている時はウキ止め糸の負担が重くなってズレ易いので、2個を連結して装着することもある。

 

■シモリ玉-A / B

シモリ玉-Aは、ウキ止め-Aの位置でスイベルを止めるために装着する。スイベルの銘柄によっては、シモリ玉の機能を兼ね備えたものも市販されているが、普通はシモリ玉-Aが無いとスイベルがウキ止め-Aを潜り抜けてしまうからである。シモリ玉の中心孔はテーパー状になっているので、挿入時に注意が必要である。径の小さいほうをウキ止め-Aに当たる側にして道糸へ挿入しないと、シモリ玉孔の中へウキ止め糸が食い込んでしまうことがある。

 

シモリ玉-Bは、道糸を巻き上げた時にスイベルがウキ止め-Bに激突する衝撃を緩和する。装着しなくても支障は無いが、スイベルとウキ止め-Bを保護するために付けた方が無難である。

 

■スイベル

ウキと道糸の接続に用いる金具で、スナップサルカンの一種である。道糸が通る中芯孔の材料として、金属製のものと樹脂製のものがある。専用のスイベルを使わずに普通のスナップサルカンで代用することもできるが、仕掛けの沈みこみがやや悪くなる。

シモリ玉の機能を備えたスイベルの場合には、道糸との摩擦抵抗が議論されるが、錘の軽いフカセ釣りと違い、普通のカゴ釣りでは仕掛けが水中に沈んで行く時の水の抵抗の方がよほど大きいので、あまり気にする必要は無い。ただ、特殊な軽カゴ仕掛けの場合には、フカセ釣り同様の注意が必要となる。このシモリ玉機能を備えたスイベルを使用する場合には、当然ながらシモリ玉-A / Bは不要となるため、道糸へ挿入するパーツが簡略化される。

 

■ウキ止め-B (からまん棒)

ウキ止め-Bは「からまん棒」と称されるもので、投入時におけるウキとカゴとの間隔を調整するために不可欠である。この間隔が狭すぎると、ウキと仕掛けが絡みやすくなる。間隔を広げすぎると、投入時にウキがリール側へ吹き戻されてしまい、結果的に仕掛けの投入ポイントが手前寄りになってしまう。一般的には、竿を立てた時に垂れ下がったウキトップが道糸先端のサルカンよりも若干上にくるように装着する。しかし、サビキ釣りなどの胴付き仕掛けの場合は、投入時にウキがカゴよりも遅れがちになるので、ウキ止め-Bは道糸の先端近くにセットする。

ウキ止め-Bはゴムと中芯棒がセットになって市販されているが、ゴム部が画像左のように蛍光材になっているものが少なくない。蛍光塗料は昼間の釣りで魚が最も警戒する色であり、装着場所も仕掛けのすぐ近くであるから、釣果の点から好ましくない。ゴム部が黒色のものを購入するか、画像右のように自転車タイヤのバルブを流用するとよい。

市販品は中芯棒が樹脂製であるが、お金を出して買わなくても、台所のツマヨウジを流用することができる。この場合は上側のゴムだけにして自転車用バルブを使用すればよいが、ツマヨウジ先端がゴムの上側まで出てしまうとハリス絡みの原因となる。

この「からまん棒」というパーツはカゴ釣り師たちにとって馴染み深いものであるが、構成部品が3点もある面倒なパーツであって、これに求められる機能と形態をよく考え直す必要がある。同様にウキを止める機能を有する「ウキ止め-A」は、単に道糸に糸を巻き付けただけの単純な物であるのに対して、この「ウキ止め-B」はどうしてかような複合部品にする必要があるのか、という点だ。機能的に考えても、「からまん棒」というパーツは合理性が欠けているように思われる。「ウキ止め-A」は荒波にもまれる仕掛け全部を海面で支え、なおかつタナを替える度に道糸上をスライドさせる必要がある。これに対して、「ウキ止め-B」は単に軽いウキを空気中で支えるだけの機能しかない。海水中では全く役割が無いばかりか、仕掛けに近いので魚に警戒されるというマイナス要因になる。このように考えると、「からまん棒」を使わないで「ウキ止め-A」と同様に糸を巻き付けただけの形態の方が、セットアップが簡単でコスト的にも釣果の点からも有利ということになる。ここに使用する糸は、道糸の先端を短く切って流用するのを推奨する。スライドする必要が無いので、固く結んでも支障ない。

道糸に挿入するパーツとして従来から使用されている古典的な例では、「ウキ止め-A」、「シモリ玉A / B」、「スイベル」、「からまん棒」という合計7点が必要とされた。これに対して、シモリ玉機能内蔵型のスイベルを使用し、「からまん棒」の代わりにウキ止め糸(道糸を流用)を用いる場合には、わずか3点だけのパーツとなり、事前に用意するのは2点だけだ。この形態が特に威力を発揮するのは、フグの大群が居て道糸を頻繁に切られるような事態の時である。フグが好むのは柔らかい物質であり、「からまん棒」の両端にあるゴムが格好の標的となる。このゴムがフグに噛まれる時に、道糸が切れるのである。「からまん棒」の代わりに道糸を流用した場合は、目立ち難いのでフグに噛まれる心配はない。

 

■スナップサルカン/サルカン

道糸とカゴ天秤の接続、カゴ天秤とクッションゴムの接続、クッションゴムとハリスの接続などに使用する。金属部品なので強度的な問題はあまり無いが、道糸の先端に使うスナップサルカンには投入時に大きな力が加わるので大型のものを用いた方が無難である。

2種類のスナップサルカンの画像を載せてあるが、上側のタイプはスナップ端が外側へ突出しているので外れにくいが、道糸やハリスが突起部に絡みやすいという欠点がある。

これら金属部品には表面がニッケルメッキで光っている銘柄と、黒色処理を施した銘柄があるが、魚に警戒心を持たれないために黒色の方が有利である。

サルカンやスナップサルカンを使わないで、道糸やハリスをカゴなどに直結する方法があるが、これは避けた方がよい。周囲の釣り人と道糸やハリスが絡み合った時、直結では絡みを解くのに時間がかかり、道糸やハリスを切断せざるを得ないからである。海況が変化したり、狙う魚種を変えたりする為に仕掛けを交換する場合でも、サルカンやスナップサルカンで接続してあれば素早い対応が可能である。結束強度の視点からも、ライン直結よりもサルカンに接続した方が圧倒的に有利である。

 

どの釣法にも共通して言える事だが、釣果を伸ばすにはハリスをできるだけ細くした方が有利である。ハリスが細ければ魚に見破られる確率が低下し、餌が海中で自然な形で漂うからである。細いハリスで強度を確保するには、スナップサルカン/サルカンの選択と、ハリスの結束方法が重要である。

結束部でハリスが切れた場合、まずハリスの強度を疑うのが普通である。しかし、結束部でのハリス切れはハリスの品質だけに起因するものではなく、サルカンやスナップサルカンの品質にも大きく依存している。銘柄によってはパッケージに強度が表示されているが、金属製の部品であるからよほどの大物を対象にした釣りでなければ強度そのものが問われることは無く、重要なのはハリスが結束される鋼線環部の表面が均一で滑らかなことだ。

サルカン環部は鋼線を丸めて形成するが、素材となる鋼線の品質が劣悪だったり、環部の形成作業が不適切だったりすると、環部に傷が付いたり凹凸やザラツキが出来たりする。このようなサルカンやスナップサルカンにハリスを結ぶと、ハリスが本来持っている強度から大きく後退した結束強度となり、弱い引っ張り力でも簡単に切れてしまう。

サルカンやスナップサルカンの品質は素材鋼線や加工LOTなどに依存するから、ある銘柄のある号数がダメだから、その銘柄の全号数がダメだと言うわけではない。環部の傷やザラツキは肉眼では視認できないが、倍率の高い拡大鏡などを使えば確認することができる。最近は大手釣具店にも中国製の粗悪品が出回っているので、購入したら実釣で使う前に細ハリスを結び手で引っ張るなどして結束強度を確認した方が良い。

サルカンやスナップサルカンの品質不具合は、主として硬度が不十分な鋼線を使用することによって発生する。従って、素材に硬い鋼線を使用した強度のあるサルカンやスナップサルカンなら、環部の仕上がりも良好と思われる。サルカンやスナップサルカンはそれほど価格の張るものではないので、安価な粗悪品は使わない方が得策である。これらは何度も使える耐久性のある金属部品なので、道糸やハリスを交換した場合でも金具だけは洗浄保存して再使用するべきだ。

 

■クッションゴム

大型回遊魚とのやりとりでは、竿の弾力性が限界に達してハリスに強いストレスがかかる。これを緩和してハリス切れを防ぐのがクッションゴムであり、仕掛け全体の強度確保のために重要な役割を担っている。

クッションゴムはハリス号数と対応したものが各種市販されているが、銘柄によって価格に3倍程度の開きがあり、ゴム径にも大きな違いがある。

実釣で使用するハリスが2号~3号であっても、クッションゴムの仕様はハリス4号~5号対応のものが適している。強度の弱いものは傷などで切れやすく、両端の溶着部が脆い場合もある。また、小魚程度でもすぐに伸びの限界に達して役に立たない。ハリス4号~5号対応の場合、高性能な銘柄ではゴム直径が1.0mmで、普及品では2.0mm程度である。長さは30~50cmが適している。クッションゴムを使用すると、カゴや天秤の周囲からハリスが遠ざけられるため、ハリス絡みが軽減される。

高級なクッションゴムの素材には生ゴム成分が多く含まれるため、ゴム同士が接触した状態で長期間保管すると接触部が溶融して使えなくなる。シーズンオフの保管には、ベビーパウダー等でゴム表面を保護するなどの注意が必要である。

クッションゴムは両端にサルカンを付けるために熱処理が必要ではあるが、市販されている銘柄は価格が高すぎる。船釣り用として売られている長さ1m~2mのクッションゴムを購入して短くカットすれば安上がりになるが、末端の熱溶着処理に慣れが必要である。

クッションゴムは餌に近接して位置するため、魚に警戒心を与えて釣果に大きく影響する場合があるので、色彩、光沢、長さ、太さ、両端の金属などには注意が必要である。特に、太陽の入射角が低い季節の表層での釣りでは、クッションゴムの外周がプリズム効果によってギラギラ光る場合がある。また、細いものよりも太いものの方が釣果の伸びる場合があり、1.5φでは釣れないが2.0φにすると釣れたという経験がある。

 

■ハリス

釣果を左右する最も重要なパーツが、ハリスである。多くのメーカーから多種多様な銘柄が販売されており、価格にも大きな幅がある。消耗品としては極めてハイコストであり、たった50mで安い竿が買えるほど高額なものもある。量販店での販売価格はバーゲンセールでかなり割り引かれることが多く、通常価格での購入がバカバカしくなるほどだ。商品の宣伝文句も好い事ずくめで際立ったものが多いが、いろいろ比較検討して自分の釣りに合った銘柄を選定するとよい。

 

素材としては、ナイロンとフロロカーボンが主流である。メジナ相手のフカセ釣りでは、根ズレに強く比重が1.78と重いフロロカーボンが有利だが、カゴ釣りではナイロンハリスにも捨てがたい味がある。

ナイロンは比較的価格が安い上に、比重が1.14と軽いので海中で刺餌が自然な形で漂うという利点がある。最近のナイロンハリスは、ナイロン素材の弱点だった吸水性や耐候性が大きく改善されているから、カゴ釣り用として実用性の高いハリスである。ナイロンの屈折率が1.53なのに対し、フロロカーボンは屈折率が1.42で水の1.33と近いために水中で目立ちにくいという特徴があるが、カスミ処理されたナイロンハリスは目立ちにくさの点でもフロロカーボンに劣ることはない。ただ、柔らかいナイロンハリスは投入時にカゴなどと絡み易いという弱点がある。

胴付きサビキ仕掛けを自作する場合には、枝スとして硬いポリエステル素材のハリスを使うのが一般的である。

 

カゴ釣りで普通に使用されるハリスは、一般的には2号~4号である。釣果を伸ばすにはハリスを細くした方が有利だが、カゴやウキとの絡み、針掛かりしてからの強度確保の点から、大型回遊魚相手に2号未満の細ハリスを使いこなすにはある程度の経験と仕掛け全体に及ぶ種々の対策が必要である。

魚の視力は弱いので、ハリスの太さは釣果に影響しないという説があるが、これは実釣経験から言っても根拠が乏しい。魚の視力でハリスの輪郭を正確に認識するには刺餌から数cmの距離まで近づく必要があると思われるが、魚は光のコントラストなどからハリスの存在を簡単に見抜くようである。このことから考えると、ハリスの仕様では太さと強度以外にも屈折率、色彩、表面の光沢などが重要な要素である。

 

ハリスにヨレやチジレがあると、そこで光が乱反射するから目立ち易くなる。これに関連して、ハリスに要求される重要な性能としてパーマ耐性がある。カゴ釣りでは、仕掛けがウキやカゴと一緒に遠投される関係から、これらにハリスが絡まることが少なくない。混み合っている釣り場では、他の釣り人の仕掛けとの絡みも稀なことではない。この絡みを解きほぐした後、ハリスがパーマ状になってしまうと使い物にならない。また、魚に飲み込まれた針を外した時に、針チモト付近にチジレができると使えなくなる。

パーマ耐性は、ハリスを爪先で強くつまみ、爪先をスライドした時にパーマがどの程度発生するかで評価することができる。銘柄によって酷いパーマが出来るものと、元の状態よりもかえって直線状になるものとがある。この性能は、胴付き仕掛けの枝スとして用いる場合は特に重要である。

 

胴付き仕掛けでアジやイワシなどを釣る場合には、枝スの太さが勝敗の分かれ目となる。これら小物をターゲットにした時には、大型回遊魚のことは考えないで、枝ス0.6号ないし0.8号のサビキ仕掛けに徹することが釣果を伸ばすコツである。枝スが細い仕掛けは幹糸も細くなっていて、昼間でも魚に目立ちにくい。

 

■針

カゴ釣りに使用される釣り針には各種あるが、大型回遊魚を狙うにはチヌ針が良好である。カゴ釣りで一般的に使用される刺餌はオキアミであり、針の号数はオキアミの大きさに合わせて選ぶことになる。オキアミのサイズがM~Lならば、チヌ針1号~3号が適している。

 

刺餌のオキアミをコマセカゴ内部に収納して投入するタイプでは、針の先端がオキアミの体外へ出ているとカゴの側壁に突き刺さって海中へ放出され難くなるので、針はオキアミで完全に包むようにした方がトラブルは少ない。針とハリスの結束が目立たないように、オキアミは針チモト部まで深く差し込んだ方が有利である。

針には金色、銀色、黒色などがあり、天候によって食い込みの良い色が違うという説があるが、オキアミで針全体を覆ってしまう分には色の違いは現れない。

同じ号数でも、針の太さは銘柄によって違ってくる。チヌ針1号の場合は、強度の点から太軸針を使用した方が安全である。大物を釣り上げた後は、針先端が曲がっていないか、針フトコロが開いていないか確認する。

 

大物のバラシ原因は、殆どの場合が針チモトでのハリス切れか、ハリスのホドケである。針チモトの結束強度が、仕掛け全体の強度を決定している。この部分の結束強度は、針とハリス銘柄の選択、ハリスの結束方法に依存しており、釣果を伸ばすために極めて重要な要素である。特に、針チモトの形状と加工精度は結束強度に大きく影響する。

潮が澄んでいる晩秋から初冬での食い渋り対策は、ハリスを限界まで細くすることである。ハリスをどこまで細くすることができるかは竿から針までの総合的な性能によって決まるが、限界として考えると1.2号ハリスで45cm級のイナダを抜き上げ可能なレベルである。

 

 

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